設立趣旨

理事長 吉田 繁夫

1  趣旨
  18世紀以降の石油・石炭等化石燃料依存型産業振興により、21世紀の持続発展に大きな課題が出ております。エネルギー枯渇、資源枯渇、地球温暖化、ヒートアイランド、大気・水・土壌の汚染など、様々な環境問題が山積し、世界は危機感を共有する時代となりました。

  また、現代の住宅は、高気密・高断熱による省エネルギー住宅が展開されておりますが、その一方で、換気の悪化による揮発性有機化合物の滞留や、ビニールクロスなどの人工的な無呼吸素材の大量利用による結露、それに伴うカビ、ダニの発生、さらにはシックハウス症候群と言われるアレルギー疾患の方々の急増など、人間の健康が脅かされる様々な問題が起こっています。

この危機的ともいえる地球・社会・住宅環境を少しでも改善し、持続可能な社会形成を進めるために、日本に豊富に産する優れた多孔質素材「稚内層珪藻頁岩」が、この課題の解決に十分貢献出来る素材であるとの確信に至りました。

  この稚内層珪藻質頁岩は、地球の続性作用により珪藻泥岩(珪藻土)が岩石化したものであり、ナノメートルサイズの小孔が無数に広がる天然の多孔質材料で、優れた調湿作用やガス吸着作用を発現します。この作用はヒートアイランド抑止や、空気・水の浄化にも有効であり、さらに高気密・高断熱住宅では、調湿・ガス吸着作用の利用により、快適で健康な居住空間を創造することができます。

  しかし、現状では、稚内層珪藻頁岩は社会的に殆ど認知されておらず、未利用の状況にあります。そこで、稚内層珪藻頁岩の特性や機能、利用方法などを、NPO法人による広報活動や講演会・体験型学習会などを通じて多くの方々に認知して頂き、さらに利用して頂くことで、環境問題や居住環境の改善に大きく貢献できるものと考えております。さらに、これらの活動が広まることで、地域産業振興にも貢献できると考えております。

2.申請に至るまでの経過
  これまで、稚内層珪藻頁岩の研究は、北海道立工業試験場や、独立行政法人産業技術総合研究所、北海道大学、北見工業大学、北海道工業大学などの研究機関で行われ、優れた機能や特徴などが明らかにされてきました。今後は、産学官民連携の元、稚内層珪質頁岩の利用促進のためのNPO法人「珪藻くらし創造委員会」を設立し、北海道の貴重な天然資源である稚内層珪藻頁岩が認知され、多くの方々に利用して頂けることを願い、本法人の申請に至りました。